育パパのブログ

育メンならず、育パパ。育児をしているパパのブログ。

さよならメルケルさん 言葉の力に感動しました;;

気が付けば、ネタ、下書きばかり増えていて、更新していない^^;

少し時間が経ってしまったネタですが、

お蔵入りする前にアップしました^^

 

 

私の家事の相棒はいつもラジオ。

正確に言えば、インターネットラジオのラジコが相棒。

家事をしながら聞いていたら、メルケル首相の演説で感動;;

 

by カエレバ

 

1,コロナ下でロックダウンをするときの有名な演説

「<自由が「苦難の上に勝ち取られた権利である」という経験>

をしてきた私のような人間にとって、

制約というのは民主主義において、決して安易に決めていいものではなく、

決めるのであれば一時的なものとしてとどめるべき。

しかし、今は命を救うために避けられない。」

 

<昨年3月、コロナ下でロックダウンをするために国民に説いた。メルケル首相の有名な演説>

メルケル首相は、東ドイツで自由がなく、東西統合によって自由を得た経験を持つ。

その経験から、自由を安易に制約してはいけないが、今は命を救うために自由の制約をすることを説いた。

 

 

2,物理学を専攻した理由(2020年12月9日ドイツ連邦議会での演説)

「人は多くのものを無力化することができるが、重力を無力化することはできない。

その他、あらゆるファクトを無力化することはできない。

その確信があったからこそ、私は物理学を志したんだ。

科学的知見というのは実在するのであって、人はもっとそれを大切にすべきだ。」

 

 

by カエレバ

 

■番組名

TBSラジオスタンバイ2021年9月22日(水)

始まって、1時間半を過ぎたあたりのコーナー

コメンテーター伊藤芳明さんによる「さよならメルケルさん」

 

以下、ラジオ内容の要約。

間違いがないように要約したつもりですが、間違いがあったらすみません。

 

コメンテーター伊藤芳明さん

今度の日曜日にドイツの総選挙があり、これで新たなドイツのリーダーが決まります。

メルケルさんは、先進国で非常に長い4期16年間首相をしてきました。

67歳で政治の世界からは引退です。

 

彼女は、強い指導力、柔軟性、言葉の力強さ

この3つの武器で、ロシア、アメリカ、中国の大国にも一歩も引かず渡り合ってきました。

 

メルケルさんが首相になったのは、シューレーダーさんの後。

この時期のドイツは、1990年に東西ドイツがひとつになった時代です。

東ドイツが貧しく、それを引き上げる時期で、苦労していた。

失業率は高い、経済成長は上がらない。

ドイツは欧州の病人と言われていた。

 

しかし、メルケル首相は、

2008年の世界金融危機、2010年のユーロ危機を巧みに乗り切った。

失業率を半分にして、経済成長も遂げた。

 

2014年にウクライナ危機では、ロシアとの停戦合意を成し遂げた。

アメリカでもロシアでも中国でもない。ドイツがいる!

メルケル首相は、ヨーロッパのリーダーの地位を確立した。

 

メルケル首相は、柔軟さがある。

2011年福島原発事故の後、原発推進派だったメルケル首相は、脱原発にパッと変わった。

それから原発を減らし、17基だったものから、6基まで減らした。

現実的な対応が早い。

 

2015年には欧州難民危機が起きる。

ヨーロッパに、中東、アフリカから沢山の難民が来た。

この時、メルケル首相は人数制限なしで難民を受け入れて、その人道主義を高く評価された。

しかし、入ってきた難民と見られる犯罪とテロが皮肉にも起きた。

現在、ドイツに極右の政党(難民を排斥する党)が出てきたのも、この影響である。2割くらいの支持がある。

難民を受け入れた影響である。

難民受け入れがアキレス腱となり、高く評価された人道主義が、彼女を引退させるひとつの要因にもなった。

 

トランプ大統領の誕生で、言葉の軽さが地球規模で広がってきた。

その中で、大局的な存在として印象的だった。

メルケル首相の語りかけ、言葉の力には注目が集まった。

 

昨年のコロナで自由を拘束する、していけない理由

もっとも有名な演説で、昨年3月国民に説いた演説。

自分が東ドイツ出身であることを言ってから、

「自由が<苦難の末に勝ち取られた権利であるという経験をしてきた>私のような人間にとって、制約というのは民主主義において、決して安易に決めていいものでならず、決めるのであれば一時的なものとしてとどめるべき。

しかし、今は命を救うために避けられない。」

説得力があった有名な演説。

 

コメンテーター伊藤芳明さんが気に入っている演説

連邦議会での「啓蒙の力を信じてる」

物理学を専攻した理由(2020年12月9日ドイツ連邦議会での演説)

「人は多くのものを無力化することができるが、重力を無力化することはできない。その他、あらゆるファクトを無力化することはできない。

その確信があったからこそ、私は物理学を志したんだ。

科学的知見というのは実在するのであって、人はもっとそれを大切にすべきだ。」

 

生い立ち

東ドイツの敬虔なプロテスタントの牧師さんの娘として育った。

ソ連では宗教というのは、警戒される監視される対象だった。常に監視をされていた。

彼女はだから、自由とか人権への強い思いがある。

物理学者になり、ベルリンの壁が崩壊。

東西ドイツ統合を機に政治の世界に入った。

東ドイツ出身、女性、離婚も経験している。プロテスタントだ。

3つのハンディを乗り越えて、政治の世界で生き延びるために、

自分の主張をいかに分かりやすく説明する能力が身に着いた。

 

ドイツ敗戦の責任、ユダヤ人虐殺の責任、東西ドイツの統一、欧州統合。ドイツの指導者は向き合ってきた。

修羅場をくぐったからこそ、メルケルのような強力なリーダーが生まれてきた。

世界的に政治家は小粒になってきたと言われるが、

経験をきちっと受け止めて、

反映していくという姿勢があれば

メルケルさんのような指導者が生まれてくる可能性があると思う。

 

日本に来たのは6回。中国には12回。中国はドイツ最大の貿易相手。ロシアとは色々あっても、バルト海を通る天然ガスのパイプラインを引いた。

したたかな柔軟に対応できる。

日本の指導者になる人は、中国、ロシアのような強権的な指導者と、長時間にわたってやり合う胆力を身につけて欲しい。

科学的な知見を尊重して、言葉の力を信じてほしい。

そういう道をメルケルさんに学んでほしい。

 

by カエレバ